スピンオフな連続小説ドライバー? 第三章「無題(ある絵描きの死)」第一話「平和(ヒマ)」
こんにちは、チャバティ64です。
今日は久々にかみさんのスクーターのオイル交換をしました。
600cc入るのに200ccしか廃油が出ませんでした。
あとの400ccは、いずこへ?
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
今日から連続小説ドライバー第三章をお送りします。
これをやると閲覧がグッと減るんですよね...orz(笑)
いつものようにバイクネタ交じってます。
今日から第三章の「無題」をお送りします。
ボクの大好きな「amazarashi」の「無題」という歌が主体となり「amazarashiへのリスペクトから出来たオマージュ作」と位置付けています。
苦情はご遠慮ください(笑)
よろしくお願いします。
スピンオフな連続小説
第三章ドライバー?「無題(ある絵描きの死)」
第一話「平和(ヒマ)」
(この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙に濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
10月の落ち着いた一日(ヒマ)が過ぎ、就業終了まで2時間「洗車」「道具清掃片付け」も終わった。
「さて、後は何をやろうか?」
事務所内を履き掃除しながら本多は考えていた。
「お~ぃ、川崎、何かやること思いつかないか?」
壁から、小さな額縁の絵を外している川崎が言った。
「いや~ないっすね、普段からやってますからねぇ」
そう言うと川崎は「ハァ~」と額縁のガラスに息をかけ、円を描くようなしぐさを見せた。
「川崎君、それ落とさないでよ、有名な画家のものらしいわよ」
「前に鈴木さん言ってたもの、マサムネ・ヨサノだって」
山葉が言った。
「またまた~山葉さん、マサムネの絵がうちにあるわけないじゃないすか~?」
「あってもコピーっすよ」
「だいたい、絵にサインもないっすよ、ほら」
川崎が絵を山葉に向け、たたみかける。
「でも~、ホントに言ってたもん」
「まあ、そんなことはいいけど、本多君、川崎君、お茶でも飲む?」
事務の山葉が腰に手を当て、やさしく微笑む。
「山葉さん、さっき休憩したばっかっすよ」
「鈴木さんがいたら、確実に怒られますよ」
川崎が言い、本多が笑う。
「こういう平和(ヒマ)な日があってもいいよな」
「俺たちが忙しくするってことは、悲しむ人が増えるってことだからなぁ」
本多が言った。
「ガチャ」
事務所の扉が開いた。
「そうだな、本多、気が抜ける日もなきゃなぁ」
「社長!」
3人が声を合わせた。
滅多に事務所に顔を出さない「社長」が突然登場した。
(社長 晴井 陸翁 はれい むつお 65歳 男)
「みんな、ごくろうさま」
「調子はいいみたいだな、ゴールドウイング、窓から丸聞こえだったぞ」
社長は笑った。
「その呼び方、勘弁して下さい」
本多は、バツが悪そうな顔をして首をすくめた。
「治恵須(はるとし)は?」
社長はあたりを見回した。
「鈴木さんは今日、泊り番で18:00にみえますよ」
本多が言った。
「そうか、どうせ今日はヒマだろう?」
「たまには少し話でもしようか?」
社長は嬉しそうに笑った。
「山葉さん、悪いけど、みんなにお茶を淹れてくれるかな?」
「わかりました、すぐに淹れますね」
山葉も笑った。
みんな、応接のイスに招かれた。
社長は自分の机からこちらを向き、手をアゴの所で組みながら言った。
「そうだなぁ、おもしろい話がいいな」
「そうだ、治恵須がうちに来た時の話でもしようか」
「オレは、あいつのことを弟みたいに思っててなぁ、昔から名前で呼んでるんだ」
「まぁ、みんな知ってると思うけど、あいつは元々TSにいたんだよ」
(TS=TS葬儀社 ドライバー第二章「とある屋敷のフスマノムコウ」ご参照)
「え~っ、鈴木さんってTSさんにいたんですか?」
みんな一様に知らなかった。
「知らなかったか?」
「あいつ、ホントに自分のこと言わないからなぁ...」
社長は少し遠くを見ながら話し始めた。
「あいつが来たのは、25年くらい前の冬だったな」
「まだ20代だったよ、すごく暗い奴でな」
「ホントに無口で、つかみどころのないやつだったよ、いまじゃ考えられないけどな」
「それでな、ある日、小さな額に入った『さくらの絵』を一枚もって来たんだ...」
「事務所に飾ってほしいって」
「ほらそこにかけてあるだろ、それだよ」
「その絵には少し思い出があるんだよ……」
今日のお話はここまでです。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。