生きてて良かった!- 茶 葉 tea’s -

〇〇〇?そいつに自由はあるのかい?

連続小説 ドライバー6「昨日の夜」第六話

こんにちは、チャバティ64です。

仕事はお茶の販売をしています。

BASEの「お茶の葉園」(あいばえん)

というショップを趣味で運営しています。

よろしくお願いします。

 

今日は「USA for Africa」の「We Are the World」からスタートです。

ボクの中の洋楽は「この曲に始まりこの曲に終わる」といっても過言ではない名曲中の名曲です。

ボクはもうこれ以上(時代背景・コンセプト・主要メンバーのすごさ)のものは生まれてこないのではないかと思っています。

「シーラ・E」も「ジャネットジャクソン」もソロパートは歌わせてもらえないほどのとてつもないメンバーばかりで、今聞いても涙があふれ、鳥肌が立ちます。

特に「ダイアナロス」→「ディオンヌ・ワーウィック」への変化と「ヒューイ・ルイス」→「シンディ・ローパー」の迫力あるハジケが大好きです。

全員が全員スゴイ!これぞ「AMERICA魂」ですね。

ギャラが発生していたら・・・・野暮ですね。

 

さて、連続小説「ドライバー?」第六話です。

ぜひぜーひ、お茶でも飲みながらお楽しみ下さい。

 

f:id:tyabatea:20180823193338j:plain

(カールのうすあじ食べてたらこんなの出ました) 

 

目がかすむ連続小説 第六話

ドライバー?「昨日の夜」

  (この物語はフィクションです、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)

 

行く道は涙で濡れ、

行く道は嘆きにあふれ、

行く道は悲しみの数だけ続く

・・・「DRIVER」

 

《本編》

 

うなだれた奥様は頼りなく宗一君が主体となった。

本人もその認識が高く、刺さりそうなまなざしで一語一句逃さない気構えが見えた。

手にはメモ用紙とペンも握られている。

 

「やはり、この子はスゴイな!」本多は思った。

 

故人の右側に4人共に正座をしながら開始した。

まず、スケジュール確認のため本多が言った。

「先ほどお寺様に電話をされたときご住職は何かおっしゃってましたか?」

「明日の午前中に枕経というものをするそうです」

宗一君が言った。

 

「わかりました」本多は静かに話始めた。

となりにいる川崎も話術を盗むべく聞き入った。

 

「俗説的なお話をしますと……」

「お父様はまだ故人ではなく……」

「今日はタンカでお連れしました……」

「息子さんたちの肩を借りて……」

「お父様も御立派なご子息に支えられて…」

「もちろん、故人ではありませんので……」

「ロウソクや線香は置いてあります……」

「お経をあげてからは絶やさず……」

「火の取り扱いには十分注意して……」

「ご飯を炊いてお茶碗にテンコ盛り……」

 

15分程だろうか長々話している感じはしないが時間は過ぎていた。

「あとは葬儀社の方に引継ぎしておきますので、何かあればお尋ね下さい」

 

「最後に、何かご質問はございますか?」

この問いに奥様が顔を上げてくれた。

 

本多が二人の顔をやさしいまなざしで見ながら待ったが質問は出なかった。

 

「それでは私共はこれで失礼させていただきます」

二人そろってビシッとした土下座で挨拶をした。

 

「うわぁ~」

 

糸が切れたかのように奥様が嗚咽と共に泣き叫ぶ。

すかさず、宗一君が「大丈夫だよ、大丈夫だよ」と声をかけながら背中をさする。 

「このうちにはこんなに立派な子がいて幸せだな」

色々な現場を見てきた本多は素直にそう思えた。

 

そして本多は川崎に目くばせし、それを後目に立ち上がり荷物を持った。

 

「母がこんな感じですからボクがお見送りします」

「お茶もお出ししなくてすいませんでした」

宗一君が言った。

 

「しかし、どこまでしっかりした子なんだろう」

 

この日、何度感心させられたのだろうかと思いかえしたが、さすがにここまでくると完璧すぎて何か危ういものも感じていた。

 

玄関から外に出ると月明かりが美しい夜だった。

本多は右腕の時計を「チラッ」と見た。

 

「それでは失礼します」

「お見送り申し訳ありませんでした」

本多はお礼を言い、川崎は頭を下げた。

 

薄暗い中、宗一君は下を向いたままだった。

本多は聞いた。

 

「ヨシハラ様いかがされましたか?」

 

 今日のお話はここまでです。

このお話は明日に続きます。

 

あなたの今日がステキな一日でありますように!

チャバティ64でした。