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〇〇〇?そいつに自由はあるのかい?

目がかすむ連続小説ドライバー? 第一章「昨日の夜」第四話「未成年の気迫」

こんにちは、チャバティ64です。

 

東京は雪が降ったり寒いようですが、静岡は最近、日中は暖かく日も長くなり初め、初春がそこまで来ているような雰囲気です。

早く暖かくなるといいなぁ。

 

仕事はお茶の販売をしています。

BASEの「お茶の葉園」(あいばえん)

というショップを趣味で運営しています。

 

よろしくお願いします。

 

今日は、連続小説ドライバー?の第四話をお送りします。

ご自宅に到着してから一波乱あります。

宗派の壁を越えられるのか?

 

マニアックな内容に読者さんがついてきてくれるのか?

お楽しみ下さい。

 

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 目がかすむ連続小説 ドライバー?第一章「昨日の夜」第四話「未成年の気迫」

 

 (この物語はフィクションです、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)

 

行く道は涙で濡れ、

行く道は嘆きにあふれ、

行く道は悲しみの数だけ続く、

・・・「DRIVER」

 

《本編》

 

 

「よろしくお願いします」宗一君が言った。

 

道中では、道順以外に声をかけることはほとんど無い。

日中で、お年寄りなら思い出の場所を巡りながら家に帰ることもたまにあるが、故人はあまりにも若く、宗一君も気丈に見えるが内心はつらいだろうと本多は思った。

 

「これからどうするんですか?」

突然、宗一君が言った。

 

川崎は運転中なので本多が後ろを振り返り、暗いながらも目を見て説明した。

 

「これから、お父様をご自宅にお連れします」

「皆様のお力を借りて玄関からお帰りになっていただきます」

「大変お疲れですので、まずはいつもお使いのお布団でお休みしていただきます」

「そのあと少々、処置をして枕もとにお寺様がお経をあげるためのお飾りをいたします」

「それが出来ましたらお寺様に連絡しますが、時間が時間ですので、お経は明日になるかもしれません」

 

「これは、私の考えですが…」

「お父様は早く退院してお家にお帰りになりたかったと思います」

「本日やっと退院してご自宅でお休みになれるので、皆さまのお部屋が別でしたら、お布団を持ってきて、一緒にお休みになるとお父様もお喜びになるのではないでしょうか?」

 

矢継ぎばやに説明したが、宗一君は納得しているようだった。 

説明に本多らしい、やさしいアドバイスもあった。

ここまで告げたところで自宅に到着した。

 

山葉が言った通り、敷地の広い大きな家だった。

玄関先には奥様ともう一人、宗一君によく似た子が立っていた。

 

「あの子が弁二君かな?」本多は思った。

 

自宅の敷地は広いが、門が大きく、車は頭から入り玄関に近づくことが出来た。

玄関のちょうど真上の二階には、明かりが煌々とついていて、とても明るかった。

本多は到着と同時に車を降り、助手席後ろのスライドドアを開け言った。

「到着いたしました、足元にお気を付けになって、お降り下さい」

 

降りると同時に宗一君はこう言った。

 

「すいません、ちょっと待っていて下さい」

「弟をすぐに呼んできます!」

 

「病院でタンカに四か所取手があるのを見ました」

「お父さんを家の中へ運ぶのを手伝わせて下さい」

 

 そう言って走って行った。

 

【なんて立派な子なんだろう】

 

本多はあまりの気遣いに、少し「にやけ顔」をしてしまったことを見られないよう下を向いた。

 

先ほど、素晴らしい子育てをしたお父様のことを「さぞ心残りだろう」などと思ったが、それは間違いで「さぞ鼻が高いことだろう」と、思わずにいられなかった。

 

気を取り直し、本多は川崎に言った。

 

「川崎、奥様に宗派を聞いてきたほうがいいな」

「わからなかったから、色々持ってきてるしな」

 

「そうっすね、すぐに聞いてきます」

川崎は走って行き、すぐに戻ってきた。

 

「本多さん、マズいっす、例の華徒真宗っす!」

(華徒真宗=かとましゅう・第二話ご参照のこと)

 

「えっ、ホントに?」

「こりゃ困ったな!宗一君、弟を連れに行ったぞ!」

「しかたがないなぁ」

本多はとても残念がったが、あとでお寺様に怒られるのは明白である。

 

「二人いるんで問題ないすけどね」

川崎は言った。 

 

本多は玄関前で弟に話をする宗一君に、菩提寺の宗派である華徒真宗では「未成年に故人を運ばせてはいけない」事情を説明した。

 

すると宗一君は、本多の目をまっすぐに見て言った。

 

「わかりました」

「お寺様にお許し頂けるようお願いしてみます」

「それならいいですよね!」

「もう少しだけ待ってもらえますか?」

 

本多は「宗一君の気迫」に押された。

 「わ、か、りました、お待ちしています」

 

宗一君は廊下の電話に向かって駆け込んでいった。

 

それから5分後、車の前で待機していたところへ、2人が走ってきた。

 

「本多さん、川崎さん、やりましたよ!」

「手伝っていいって!」

 

宗一君は嬉しそうに言った。

 

今日のお話はここまでです。

 

あなたの日々がステキな一日でありますように!

チャバティ64でした。

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