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〇〇〇?そいつに自由はあるのかい?

リターンズ⑯ 「牛肉」苦闘編 好き嫌いはキライ、なんだか負けた気がする!

こんにちは、チャバティ64です。

仕事はお茶の販売員をしています。

よろしくお願いします。

 

さて、見事苦労の末に「納豆」を克服しましたが実際に見たことのないメジャー食材がまだありました「牛肉」「マグロ」です。

(笑えるホントのお話です)

 

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(銀婚式旅行で食べたビュッフェの食事2人分です、取り過ぎ?)

 

これには深いわけがありまして、小さい頃から騙されていたんですね。

まず「牛肉」と言えば「すきやき」ですが、我が家では牛肉だと思って喜んで食べていたのは「豚バラの薄切り」だったんですね。

 

やたら脂身の多い豚バラの薄切りはやわらかく子供にすごくうけます。

年寄りにはちょっとキツイですね(今の自分は orz...)

 

対面に座る兄貴と肉の取り合いですから、見ていない時に鍋の死角に肉を移動して、見えるところから食べる手法を小学校に上がる前に取得していました。

うまく配置出来たころに、おふくろに鍋をかき混ぜられて「あ~ぁ」と思っていると、自分の死角にも肉が隠されていたことに気付くんですね。

今思えばとても楽しい食卓でした。

 

とりあえず「すきやき」なんて年に数回の食べ物ですから印象もあまり残りません。

 

残ったツユに玉子を入れて、煮込んだものを翌日食べるのがまた楽しみでした。

これが我が家の「すきやき」だったんです。

 

社会人になって、最初の連休で友人が帰省していた実家(三重県松阪市)から戻ってきて、寮で「すきやき」をふるまってくれました。

 

今考えたら超高級な肉を買ってきてくれたんですね。

 

初めて本物の「すきやき」を見たとき(食べたのではない)の印象は

1.肉がやたらデカい

2.肉の色がちょっとおかしい

3.なぜか、器に生玉子が入っている

という不思議加減でした。

 

ボクは肉をごちそうになるのでご飯を炊いて、正座して待ちました。

 

鍋の中は、ほぼ「ネギと肉」のみです。

【なかなかワイルドだな、野菜やチクワも入って無いとは!】

(ちょっと具材がおかしい?)

 

さて、煮えるのまだかな?と思っていたら肉が「まだ赤い(半生)状態」で、すくい上げてしまいました。

 

【赤いけど大丈夫か?腹壊すぞ!】

 

そう思っていたらなんと!

おもむろに生玉子の中に肉が、ゴーール!

 

友人は上手に取り分けてくれましたが、ボクは困惑していました。

【おい、大丈夫か?どうなってんだ!】

【これじゃ玉子が台無しじゃないか?】

【食べ終わりに入れないのか?】

 

4人でコタツ(布団なし)を囲んでいたんですが、ボク以外はみんな、すでに食べ初めていました。

 

ボクは聞きました。

「肉が赤いから、もう少し煮たほうがよくないか?」

 

友人が言いました。

「このくらいが一番うまいじょ、ナマはあかんか?」

 

「食べたことないなぁ赤いのは、小さい頃から『肉はよく火を通さなあかん』っておふくろに言われとったでなぁ」

 

「それにな、生玉子に入れて食べんの?」

「玉子つけて食うたことないんか?」

 

「ないなぁ、締めに鍋に入れるもんだと思ってた」

「そうなんやぁ、やっぱ地方によって食べ方がちゃうんやなぁ」

(岐阜の方ごめんなさい)

 

本来、ここまでずれてるとバカにされそうなもんですが、このときにいた4人の出身がそれぞれバラバラで「三重」「岐阜」「長崎」「岡山」で、やはり味付けなどが若干違うようでした。

(プチケンミンショー状態です)

 

みんな「へぇ~」って感じで聞いてくれました(笑)

 

さて、ボクの肉は赤いところを少し煮てもらって玉子には付けずに実食です。

 

【うん?なんだこりゃちょっと違うな】

 

すぐに気づきました。

 

「何かが違うけど、柔らかくてウマ~イ!!」

 

そりゃそうです、初牛肉が「天下の松阪牛です。

実家で食べていたものは「豚バラ」です(笑)

 

「これ、すっごいおいしいなぁ!」

 

ボクは言いました。

そうしたら、みんな、茶碗と箸を持ったまま満面の笑みでうなずきました。

友人はゴキゲンで「ホンマか?もっと食うてや!」と器に入れてくれました。

 

「牛肉最高!」「すきやき最高!」です。

 本当に素敵な時間でした。

 

あれから30年以上立ちました。

松阪の「いいと言われるお店」は、いろいろと食べ歩きましたが、あの時よりおいしいお肉にあったことはありません。

 

今となっては、牛肉を食べたことが無い方がうらやましく思えます。

ボクにはもうありませんが、あのおいしさに「感動できる権利」を持っているんですから...

大切に権利を行使してくださいね。

 

おふくろには、ずっと騙されていたと思っていましたが、実はこの感動を社会人になるまで「残しておいてくれたんだ」と、今では思っています。

 

ちなみに「豚バラ」だと知ったのは、それから数年後の話です。

実家に子供を連れていったら、おふくろが「奮発して『すきやき』にしたぞ」と、言って出てきたのが見事に豚バラでした。

 

おふくろは子供たちに「肉ぎょうさん食べや」と言っていました。

やわらかい豚バラは大好評でした。

おふくろは最後まで「牛肉」とは、言ってなかったです。

結局、ボクの勘違いですね。

 

「あ~味の染みた、ちくわって美味しいな」

 

今日のお話はここまでです。

 

あなたの今日がステキな一日でありますように!

チャバティ64でした。