連続小説ドライバー41 第四章「土下座のムコウ」最終話
こんにちは、チャバティ64です。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
本日は連続小説最終話をお送りします。
多額の保険受け取りで家を買う宣言をした奥さん。
故人の家族が安寧を勝ち取ったと思えたが...
衝撃の結末!最終話スタートです。
(いや~映画ってホントにいいですね!)
子供たちの将来を考える連続小説
第四章ドライバー?「土下座のムコウ」
(この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙に濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
本多は、この家族には特にそういう印象を受けた。
しかし、故人を前にしてなんだが、ご主人に守られ、残された家族は先ほどの悲壮感は薄れ、前向きな顔になった気がする。
かたや、権利を主張して通ったにも係らず、弟、姉、義母は、なぜかは、わからないが皆が下を向いたままであった。
本多は決着がついたと確信した。
「それでは、私は失礼いたします」
本多はすっと立ちあがり、玄関に向かった。
玄関で靴を履き、振り返ると奥さんをはじめ子供達とおじさんが立っていた。
おじさんは言った。
「ずいぶん世話になったね、ありがとう」
本多はすこしだけ顔をやわらかくして、ゆっくり会釈だけした。
そしてそのまま外へ出て、もう一度深々とお辞儀して玄関を閉めた。
足早に道を渡り、そそくさと車に乗り込んだ。
「はぁ~ちょっと疲れたな」
「一時はどうなるかと思ったよ」
独り言の多い本多は矢継ぎばやに言った。
「しかし、ご主人も粋なことをされるなぁ」
「最後のラブレターかぁ、カッコよかったなぁ」
「オレもかみさんに送らなきゃな」
「本当に勉強になりました、失礼します」
故人を思い、家の玄関に向け会釈した。
本多はシートベルトを締め出発しようとしたその時、外にモカちゃんが立っていた。
本多は窓を開けた。
「おじちゃんありがとう!」
「おかあさんが笑ってた、モカ、うれしかったよ!」
さすがの本多も笑顔にならざるを得なかった。
「モカちゃんさようなら!」
「おかあさんを大切にね」
「うん、わかった」
「モカ、おかあさん大好きだから!」
「バイバイ、またね~」
モカちゃんは手を振った。
「さようなら」
本多も手を小さく振りかえし出発した。
「バイバイまたね~」か、縁起でもない。
モカちゃんには二度と会わないようにと願う本多であった。
数日後
「本多く~ん、手紙来てるわよ」
事務の山葉から手紙を渡された。
真っ白い封筒に確かに自分の名前が書いてある。
「誰だろう?」
本多はとりあえず、開けてみた。
文章を読んだ本多は目を疑った。
拝啓 本多様、その節はありがとうございました。
主人の葬儀も滞りなく終わり安堵の日々を送っております。
大変お世話になったあなた様だけには真実を伝えようと筆をとりました。
あの後のことですが、弟さんとお姉さんが遺産受け取りを放棄しました。
そのためか、義母が家に残ることになり、もとのままとなりました。
私なら、母と暮らせるならお金はいらないというところですが、弟さんはそうではなかったようです。
本当にわからないものですね。
実は、あの「最後のラブレター」は、主人が、自分で、コソコソと支払っていたもので、入院して意識が無くなってからは未納が続き、保証は失効していました。
そのため、保険の受け取りはできませんでした。
しかし、家や土地を失うこともなく、もとのさやに納まり暮らせることが出来るのはやはりあの「最後のラブレター」のおかげだと思っています。
また、いつかお会いすることがあると思いますが、その時もぜひ色々なことを思い出させて下さい。
本当にありがとうございました。 敬具
読み終わった本多は背筋が震えた。
「そんな...?」
「実は最初から...」
「知ってた...なんてことは...」
おわり
いかがでしたか?
奥さんの真意はどこにあったのでしょう?
本多の謎はナゾのままでいいんです。
家族みんなでやり直すこともできたんですから。
しかし「最後のラブレター」カッコイイですね。
同じ男として憧れます。
また、通しのモノを添削ののち掲載いたします。
よろしくお願いします。
今日のお話はここまでです。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。