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〇〇〇?そいつに自由はあるのかい?

連続小説ドライバー 第四章「あの人の手紙は...」第七話「反撃の口火」

こんにちは、チャバティ64です。

 

今日はお休みにしました。

朝から息子と一緒にバイクいじりです。

あ~楽しくてしょうがない。

連休は無かったけど、気にしな~い!

 

仕事はお茶の販売をしています。

BASEの「お茶の葉園」(あいばえん)

というショップを趣味で運営しています。

 

よろしくお願いします。

 

本日も連続小説ドライバーをお送りします。

自殺を考える奥さんに打つ手はあるのか?

とんでもないことに巻き込まれた本多はどうなる?

最高の盛り上がりを魅せる第七話スタートです!

 

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(祝日は一泊おいくらですか?)

 

 

子供たちの将来を考える連続小説 

章ドライバー?「あの人の手紙は...」第七話「反撃の口火」

 

(この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)

 

行く道は涙に濡れ、

行く道は嘆きにあふれ、

行く道は悲しみの数だけ続く

・・・「DRIVER」

 

《本編》

 

「わたし...ですか...?」

 

 

奥さんは話はじめた。

「そうです、あなたです」

「私は、病院にいるときから...」

 

「死ぬことだけを考えていました」

「あの車に乗せてもらうまでは...」

 

【そういうことだったのか】

 

あの振り切れた笑顔は、覚悟が決まっていた表れだった。

そうでなければあの状況で、あの表情は考えにくい。

本多は、ひとつ謎が解けた気がした。

 

奥さんは今まで思っていたことを全部吐き出した。

「主人が余命宣告を受け入院してから、それまで寄り付かなかった弟さんが、たびたびみえていたことは気になっていました」

「お義母さんがよく電話されていたのも知っていました」

 

『主人の前妻は、よくできた嫁だった』と、何度も言われましたが、私がいたらないことはよくわかっています」

「申し訳なく思っていますが、さけられるのはつらいです」

 

奥さんは正座した膝の上で手を強く握りしめ、震えながら大粒の涙をこぼした。

握った手の甲に、雨が降り始めたようにポタポタと涙が落ちてきた。

そして、手で拭いながら、ゆっくりと話し始めた。

 

「私は、一人でこの家を守っていく自信はまったくありませんでした」

「ですから、主人が亡くなったら自分も死んで、棺だけ買っておけば、いっぺんに葬式も済むし、費用も安くなると真面目に考えていました」

 

「私は子供たちのことを考えるあまり、子供達を不幸にするところでした」

「ただでさえ主人が亡くなり、よりどころを失ったばかりなのに、なんて愚かなことを考えていたのかと思います」

 

 

「かあさん!」

兄Aと兄Bが同時に叫んだ。

 

「何考えてんだよ!バカなこと言ってんじゃないよ!」

兄Bが大きな声で言った。

 

「そうだよ、かあさんがどうにかなったら俺たちどうすんだよ」

「バカなこと考えんじゃねえよ!」

 

「頼むよ、かぁさぁ~ん」

兄Aは泣きながら母にしがみついた。

 

奥さんの背中にはモカちゃんがピタッと張り付いていた。

モカちゃんは母親の後ろから親戚をにらみつけていた。

 

「おかあさんをいじめる人は、モカ許さないぃー!!! 」

モカちゃんは、ありったけの大声で言った。

 

本多は、すこし胸のすく思いがした。

 

奥さんが続けた。

「このドライバーさんとね、病院から家までお父さんと送って貰う時に話をしたの」

「旅行もほとんど行ったことないし、日曜も畑に行ってて仕事ばっかり、楽しくなかったって愚痴っちゃってね」

 

「でもね、本当はお父さん、すごくいろんなことをやってたの」

「結構マメで、結婚する前もいっぱいお手紙くれてね」

「当たり前すぎて忘れていただけで、ものすごくたくさんの思い出があったのよ」

 

「あふれるようにたくさんで、私には抱えきれないステキな思い出ばかりだったの」

「私は家族との思い出がたくさんあるこの場所を手放すなんてできない...」

 

 「それでね...」

「みんなに見せたいものがある」

 

 

「私は、お父さんから言われた言葉を思い出したの...」

「最後の...」

 

【声がつまって聞えなかった】

 

奥さんはそう言うと立ち上がり、仏壇の引き出しから手紙のような封筒を出した。

その封筒の中身を出し、兄A.兄Bに渡した。 

それは、生命保険の証書だった。

 

死亡時の受け取り金額は...

「イチ、ジュウ、ヒャク、セン、マン……オクゥ~?」

兄Bが読み上げ、兄Aは目をこすった。

 

その額は間違いなく「一億円」だった。

 

証書の封筒は和紙柄の美しいものに、達筆な毛筆書きで、宛名に奥さんの名前と、裏には、差出人である故人の名前が所狭しと踊っていた。

 

「私もすっかり忘れていたし、帰ってきて封筒を開けるまで中身も知らなかった...」

「だけど、この手紙をもらった時、お父さんが言ったの」

 

 

 

「これがお前に渡す...

 

 

 

 

 

『最後のラブレター』

               だって...」

 

 

「オレが死んだら読めって!」

 

奥さんは、一際大きい声で言った。

 

 

【今度は聞えた!】

【ご主人!!!カッコよすぎる!】

 

本多は不謹慎にもニヤつきそうになってしまった。

 

「とうさん!」「とうさん!」

兄達も続けて父を呼んだ。

 

 

今日のお話はここまでです。

このお話は明日に続きます。

 

あなたの今日がステキな一日でありますように!

チャバティ64でした。

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