子供たちの将来を考える連続小説ドライバー 第四章 「あの人の手紙は...」第六話「死のうと思っていた」
こんにちは、チャバティ64です。
今日は朝から外回りです。
ぐるぐる回っています。
目も回りそうです。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
さて、本日も連続小説をお送りします。
雰囲気の悪い現場に出くわした本多...
説明も終わり帰ろうとした瞬間、
事件は起こります。
第6話スタートです。
(あ~こんな雲が早く見たい!)
子供たちの将来を考える連続小説
第四章ドライバー?「あの人の手紙は...」第六話「死のうと思っていた」
(この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙に濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
モカちゃんは、笑顔が戻り落ち着いたようだった。
「モカはこれからどうしたい?」
【弟と思われる】兄が言った(兄B)
「...」
「そっか、わかんないもんな」
「そりゃそうだ」
【兄と思われる】兄が言った(兄A)
「この家じゃ、とうさんと血がつながってるのはモカだけだもんな」
「どうするの、かあさん?」
「ばあちゃんも、おじさんも出ていってほしいみたいな口ぶりだけどさ」
兄Bが言いにくいことを「ズバッ」と言った。
会話があらぬ方へ進み、本多は立ち上がるタイミングを逃してしまった。
とても口が開ける状況ではないことはわかる。
しばらく置物として静観することに決めた。
色々な話があったが要約するとこうだった。
◎ 故人とのつながり
故人=実の両親は他界
(母が先に亡くなり、父は再婚後に他界)
自分はバツイチ、再婚の嫁をもらう
(つれ子二人、実子一人)
故人のお母さん=死別で再婚(後妻)
故人のお父さんの弟=叔父
故人の姉=後妻の連れ子
故人の弟=後妻の連れ子
故人の奥さん=再婚
兄A=奥さんの連れ子
兄B=奥さんの連れ子
モカちゃん=実子
と、なっていた。
少々複雑な家庭ではあるが、働き手と跡継ぎの大切な農村ではこういうケースは多いそうだ。
たしかに兄Aの言う通り、故人と血のつながっているのはモカちゃんだけだった。
しかし、家族であることに変わりがないし、故人に対して冷たすぎるのではないだろうか?
本多は思った。
故人の弟が言った。
「実のオヤジが死んでさ、おふくろが再婚して姉貴とここに来てさ」
「すげ~イヤな思いばっかしたよ」
「新しい親父はどこにも連れて行ってくれないし、ほとんど話をしたこともなかったよ」
「いつも休みの日は畑の手伝いさせられて、全然楽しくなかった」
「ホントにイヤだったんだ」
「でも兄貴だけは楽しそうだったんだよ」
「実の子だから可愛がられてたんだろうな」
「オレはこの家がキライだ、早く処分して財産を分けて欲しいんだ!」
「親父が死んだとき、兄貴が継ぐって言ったから遠慮したんだよ」
「その兄貴が死んだんだ、もういいよな」
「オレの言うことは間違ってるか?」
「権利を主張するのは普通だよな」
矢継ぎばやに故人の弟は主張した。
姉も同じ意見のようだった。
弱い立場に立たされた奥さんとその子供たち。
この家族の唯一の希望がモカちゃんだった。
しかし本多は「何かが違う」と思っていた。
奥さんが重い口を開いた。
「権利を主張するのは当然です」
「私は主人がいなくなったら、この子たちを連れて出ていく覚悟をしていました」
「しかし、いざ亡くなったら考えが変わりました」
「死のうと...」
皆の顔色が一瞬で変わった。
子供たちのすがるような悲しい顔が印象的だった。
「私が死んだら、この子たちは行くところがありません」
「それならここに住むしかありませんからね」
「実に名案だと思いました」
「息を引き取った瞬間から、それだけをずっと考えていました」
「なんだか気も楽になったんですけど....」
「しかし、間違っていたようです」
「それをこちらのドライバーさんに教えてもらいました」
【えっ?】
本多は、せっかく気配を消し、置物に徹していた努力が無になった。
何があったかわからないが、困惑どころではない。
本多は驚きながらも、口を開いた。
「わたし...ですか...?」
今日のお話はここまでです。
このお話は明日に続きます。
あなたの日々がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。