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〇〇〇?そいつに自由はあるのかい?

連続小説ドライバー28 第三章「無題 ある絵描きの死」第十話

こんにちは、チャバティ64です。

仕事はお茶の販売をしています。

BASEの「お茶の葉園」(あいばえん)

というショップを趣味で運営しています。

よろしくお願いします。

 

本日も連続小説の続きをお届けします。

 

彼は倒れてしまった。

多くの点と線がつながり、物語は進む。

さあ、新たな展開です。

 

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(愛は地球を救う、花で地球を包む活動もしてほしいなぁ)

連続小説ドライバー3 「無題(ある絵描きの死)」

昔話は本当の話の連続小説 第十話

 

(この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)

 

行く道は涙に濡れ、

行く道は嘆きにあふれ、

行く道は悲しみの数だけ続く

・・・「DRIVER」

 

《本編》

 

「いかん、救急車だ!」

「すぐに救急車を呼んでくれ!」

ロンシャンは叫んだ。

 

翌朝、彼は気付いたら病院のベッドの上だった。

看護には「恵歩(ミホ)」がついていた。

「マサムネさん、気が付きましたか?よかったです」

 

彼は言った。

「ここは?」

まだ状況がよくわかっていないようだった。

 

ミホは言った。

「病院です」

「きっと、あなたはロンシャンとの約束が気になって、徹夜続きで絵を仕上げたんでしょう?」

「過労が、たたったんですよ」 

そういうと、ニッコリほほ笑んだ。

 

彼は言った。

「あなたは...」

 

ミホは答えた。

「私は、恵歩(ミホ)と言います」

「開店前では大変失礼いたしました」

「バンビーノとは古くからの友達です」

 

「そうだったんだ...」彼はつぶやいた。

 

彼は、バンビーノに友達がいたことすら知らなかった。

ボクはいったい彼女の何を知っていたんだろう?

そう思うと、心の底から自分がなさけなくなった。 

 

「ミホさん、ボクは知らないことだらけだ」

「バンビーノと別れた後のことは,知らなくても仕方がない」

「ボクが女々しく思い続けていただけだから」

 

「しかし、一緒に暮らしているときも知らないことだらけなんだ」

「教えてくれないか?」

「キミが知るバンビーノのことを」

彼はベッドから体を起こし、ミホに懇願した。

 

ミホは、さっきとは違い厳しい表情で言った。

「わかりました、お教えします」

「しかし、お教えする前にひとつだけ訂正させてください」

 

「あなたは勘違いしている」

 

「あなたは絵に夢中で、彼女のことをないがしろにした」

「知らないのではなく、知ろうとしなかった」

「そう、思っていますよね」

 

彼は、静かにうなずいた。

 

「それは違います」

「彼女が教えなかったんです」

「バンビーノは、彼の絵の邪魔になるくらいなら『私は消えた方がいい』とまで言っていました」

「彼女のすべてが、あなたの絵に注がれていたのです」

 

「彼女は『信じてる、私が正しかったことを彼が証明してくれるの』と、口癖のように言っていました」

 

彼は、自分も知っているバンビーノの口癖と同じことを言ったミホに、真の友情を見た気がした。

そして、ミホは続けた。

 

「あなたの友人だった画家で画商のミュンヒルが、あなたがフランスにいるころからずっと、あなたの絵に、自分の作家名を入れて売っていたことを知っていましたか?」

「ミュンヒルは、すくなくとも画商ですから、自分で描いた絵が、あなたの絵に遠く及ばないことを感じ、あなたから絵を買い上げていたんです」

 

「彼の家は、3代続く画商です」

「あなたに見つからない販売ルートがあったのでしょう」

「しかし絵が高く評価され、メディアにでない幻の作家として有名になってしまった」

「そして、作品がバンビーノの目にも、ふれてしまったんです」

 

「それを突き止め、作品を見たバンビーノは、愕然としました」

「そして、ひどく怒っていました」

「私は、裁判所に訴えてやればいいと言いました」

 

「そうしたら、違うんです」

 

「あなたの絵の上に、サインをしたことをひどく怒っていたんです」

「あなたの絵を汚した!」

「どうして裏側にしてくれなかったのかって」

 

「私は、そんなバンビーノに唖然としましたけどね」

 

「しかしそのあとバンビーノから、もしあなたがここにいても、きっとそんなことは気にしないから、内緒にしておいてほしいと言われました」

 

「ロンシャンがミュンヒルの絵を買うことは、あなたの絵が店に飾られることです」

「なによりも、バンビーノが喜ぶことです」

「だから、私はロンシャンにも言いませんでした」

 

「しかし、あなたは現れた」

「もう、彼女と私の2人だけの秘密にする必要もありません」

「気持ちが楽になりました」

ミホは目を閉じた。

 

今日のお話はここまでです。

このお話は明日に続きます。

 

あなたの今日がステキな一日でありますように!

チャバティ64でした。

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