独り言の多い連続小説ドライバー? 第二章「とある屋敷のフスマノムコウ」第四話「フォースナイト」
こんにちは、チャバティ64です。
仕事はいい香りのするお茶の販売員をしています。
BASEで「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
どうか、どうか、たまにでいいので覗いてやって下さい。
よろしくお願いします。
本日も連続小説ドライバーシリーズ第二章をお届けいたします。
ゴミの山を制し、ご遺体にたどり着いた本多。
やっと、作業を始められるかと思ったが…
吠えるハバさん、叫ぶ子供!
それでは、お楽しみ下さい。
(海はいいぞって、誰もきいてねぇ!)
独り言の多い連続小説ドライバー?
第二章「とある屋敷のフスマノムコウ」
第四話「フォースナイト」
(この物語はフィクションです、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙で濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
何をやってるかわからないが、本多はゴミ山を駆け上がった。
すると、派手なおばさんが一人増えていて「掃除道具のハタキ」で「バサバサ」ハタかれていた。
【誰だ?】
子供たちはハバさん1号(お母さん確定)を、止めに入っていた。
ハタかれているハバさん2号はヤセていて、髪が紫色に染められていた。
ワンピースは申し合わせたかのように赤一色で、金銀財宝も首からかかっていた。
本多はくだらないが、ふと「細い派手なおばさんでホハバさん」だなと思った。
頭の中は、現状を直視出来ず、現実逃避して意味のないことばかり考えていた。
今日は本当にいろんなことがある日だ。
とりあえず、もめごとは分からないが、まずは協力して片付けないと安置も出来ないことを真剣に伝え、その場を収めた。
大人が一人増えたため、ゴミの収穫作業は格段に速くなった。
どうやら、このホハバさんが電話の相手だったらしく、ハバさんも電話ではなく直接話し(けなし)ながら作業していた。
本多は、山を越えたついでに車に戻り、必要な道具を全部持ってきた。
掃除機も借りていくことにした。
ゴミ山をふたたび越え、ご遺体の所へ戻り足元の隅へ置いた。
とにかく、安置するための布団を探した。
すると、ゴミに紛れ薄い敷布団が隠れているのを見つけた。
「よし、これを使おう」
本多は独り言をハッキリ言った。
手初めに辺りのゴミを隣のゴミ山に寄せ、2畳分くらい掃除機をかけた。
見つけた敷布団もノズルだけで掃除機をかけた。
「やっと靴が脱げる」本多はつぶやいた。
ご遺体に、ずっと申し訳ない気持ちで一杯だったのだ。
早速、靴を脱ぎ、作業に取り掛かった。
持ってきたノリのかかった真っ白なシーツを布団に掛けた。
下着が見当たらないため、まずはご遺体に浴衣を着せ、敷布団の上に寝かせた。
気にしていた「手のひらの血」は、警察がきれいにしてくれてあった。
「やるじゃないか警察官!」
何から目線なのか、わからないが本多はつぶやいた。
爪には畳をかきむしったためだろう「い草」が少し詰まり、血がにじんでいた。
「こりゃマズいな」
本多はつぶやいた。
亡くなっているため血小板の働きが無く、死亡からの経過時間にもよるが血が出だしたら、簡単には止まらない。
爪をきれいにして血止めを付け、細目の包帯を丁寧に巻いた。
「やっと手を組めますね」
本多はご遺体に話しかけた。
本多はご遺体の手を合掌の形から指を組んで胸の上にそっと置いた。
「大変、失礼いたしました」
正座で一礼した。
「ふぅ~まずは第一段階終了!」
そうつぶやくと本多はハンカチで汗をぬぐった。
次は掛布団だが、お通夜の時に布団の上にかける「きらびやかな布団掛け」は持ってきた。
おそらくここで、お通夜やお葬式が営まれることは無く、葬儀式場になるだろうと思い、ご遺体を移動することも考え、毛布の上にかけておくことにした。
【あと一歩だ】
窓のスリガラスの向こう側が白々と明るくなってきていた。
右腕の時計に目をやると「すでに6時前」だった。
すでに4時間近くが経過し本多も疲れていたが、ゴールは見えてきていた。
最後に「ドライアイス」で、ご遺体を冷やして安置が終了した。
【髪も髭も整えてあげたいなぁ】
【(丸正さん※) に連絡しようかな?】
しかし、この状態で呼んだら後で恨まれそうだなとも思った。
(※ 丸正さん 第一章に出てくる湯かん屋さん(納棺師さん))
枕元のお飾りは迷ったが、一応設置することにした。
花瓶の水や塩をもらうために、何度も靴を履きゴミ山を登ったが、廊下はほぼ片付いていた。
そのため、ハバさんに安置が完了したことを伝え、まずは、隣の部屋のゴミ山を廊下に出すようにお願いした。
お飾りもすべて完了し、後はゴミを片づけないとご遺体を外へ運び出すことも出来ない。
本多は一旦車に戻り、携帯電話で事務所の鈴木に、時間がかかっている事情と、現在の状況を説明し、片付けに参加する意思を伝えた。
「申し訳ない、よろしくお願いします」
これが鈴木の返事だった。
大東部長もそうだが、時として、目下に敬語がつかえる大人ってカッコイイなと思った。
「さて、もういっちょいきますか」
もう何度つぶやいたであろう。
今日のお話はここまでです。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。