連続小説 ドライバー15 第二章「とある屋敷のフスマノムコウ」第六話
こんにちは、安倍まりやです。
返事はいつも「Yes」です。
冗談です、チャバティ64です。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
今日は「イーグルス」の「テイク・イット・イージー」からスタートです。
タイトル通り、英語がわからないボクでもなんとなく感じる名曲です。
「ガンバレ!」よりも「気楽に行こうぜ!」
プレッシャーを与えず励ましている、この精神を見習いたいものです。
さて、連続小説 ドライバー?第六話です。
たまにはコーヒーもいいですね、ごゆるりとお楽しみ下さい。
(近づいたらさらにマンション感が出ました(笑))
ドライバー?シリーズ第二章
独り言の多い連続小説 第六話
「とある屋敷のフスマノムコウ」
(この物語はフィクションです、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙で濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
「こりゃマズいな」本多はつぶやいた。
亡くなっているため血小板の働きが無く、死亡からの経過時間にもよるが血が出だしたら、簡単には止まらない。
爪をきれいにして血止めを付け絆創膏を張った。
「やっと手を組めますね」
本多はご遺体に話しかけた。
本多はご遺体の手を合掌の形から指を組んで胸の上にそっと置いた。
「ふぅ~まずは第一段階終了!」
そうつぶやくと本多はハンカチで汗をぬぐった。
次は掛布団だが、お通夜の時に布団の上にかける「きらびやかな布団掛け」は持ってきた。
おそらくここで、お通夜やお葬式が営まれることは無く、葬儀式場になるだろうと思いご遺体を移動することも考え、とりあえず毛布の上にかけておくことにした。
「あと一歩だ」
窓のスリガラスの向こう側が白々と明るくなってきていた。
右腕の時計に目をやると「すでに6時前」だった。
すでに4時間近くが経過し本多も疲れていたが、ゴールは見えてきていた。
「ドライアイス」で、ご遺体を冷やして安置が終了した。
髪も髭も整えてあげたいから「丸正さん ※」に連絡をしなきゃな。
でも、この状態で呼んだら後で恨まれそうだなとも思った。
(※ 丸正さん 第一章 第二話に出てくる湯かん屋さん(納棺師さん))
枕もとのお飾りは迷ったが、一応設置することにした。
花瓶の水や塩をもらうために何度も靴を履きゴミ山を登ったが、廊下はほぼ片付いていた。
そのため、ハバさんに安置が完了したことを伝え、まずは、隣の部屋のゴミ山を廊下に出すようにお願いした。
お飾りもすべて完了し、後はゴミを片づけないとご遺体を外へ運び出すことも出来ない。
本多は一旦車に戻り、携帯電話で事務所の鈴木に時間がかかっている事情と、現在の状況を説明し、片付けに参加する意思を伝えた。
「申し訳ない、よろしくお願いします」
これが鈴木の返事だった。
大東部長もそうだが、目下に敬語がつかえる大人ってカッコイイなと思った。
「さて、もういっちょいきますか」
もう何度つぶやいたであろう。
本多は外から見られないように静かに玄関をしめ、廊下に上がった。
ハバさんにお許しをもらって上着を脱ぐことにした。
ハバさんは今まで着ていたことにむしろ驚いていた。
本多は子供達に袋をもらいゴミを入れ始めた。
「あ~あぁ、そんな白い手袋でゴミなんか掴んで大丈夫ですか?」
ハバさんは申し訳なさそうに言った。
「大丈夫です」本多は返した。
手術用のゴム手袋がインナーで入っている。
むしろ「軍手で作業していて大丈夫なのかな?」と思った。
作業を始めて、どれくらい経過したであろうか、外に車が止まったような感じがした。
「ギィッ、ギッ」「ガチャッ、ガチャン」「ダムン、ドムゥン」
やはり、なにかが来たようだ。
本多は玄関を開けた。
「えっ」
本多は目を疑った。
今日のお話はここまでです。
このお話は明日に続きます。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。