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〇〇〇?そいつに自由はあるのかい?

独り言の多い連続小説ドライバー? 第二章「とある屋敷のフスマノムコウ」第二話「セカンドインパクト」

こんにちは、チャバティ64です。

 

仕事はお茶の販売をしています。

BASEの「お茶の葉園」(あいばえん)

というショップを趣味で運営しています。

どうかたまに覗いてやって下さい。 

よろしくお願いします。

 

本日も連続小説ドライバーシリーズ第二章をお届けします。

 

突然目の前に現れたゴミ屋敷との遭遇

そして、現場に似つかわしくない人たち

怒鳴り散らす赤いワンピースの女!!

 

それでは、お楽しみ下さい。

 

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(赤いのは地肌です) 

 

独り言の多い連続小説ドライバー?

第二章「とある屋敷のフスマノムコウ」

第二話「セカンドインパクト

 

(この物語はフィクションです、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません) 

 

行く道は涙で濡れ、

行く道は嘆きにあふれ、

行く道は悲しみの数だけ続く

・・・「DRIVER」

 

《本編》 

「ふざけるな!あんたのせいだ!」

「あんたが、いい加減だからダメなんじゃないか!!」

「いいかげんにしてよ、もお~!」

 

怒鳴るおばさんの会話が終わらないことには家に上がることも出来ない。

 

現在は、玄関のタタキ(靴を脱ぐところ)のみ、ゴミ畑の収穫が終わっている様子だった。

山を崩しながら、袋に詰めて外に出すしかない。

本多は、駐車場の青いゴミ袋は、この家から出たものだとやっと気づいた。

夏場のわりに、不思議とニオイは立ち込めておらず、まだ許せる環境だった。

 

小学生ぐらいの子供たちが「すいません、すいません」と言いながら、こちらを向き頭を下げながらゴミを拾っては、袋に詰めている。

 

【こりゃ参ったな?どうしよう】

 

間違いなく、この奥に安置すべきご遺体が横たわっているに違いない。

 

とりあえず、夏場ということもあり安置だけは早めにしたいが、電話が終わらない限り段取りの話も出来ない。

しかも、どうやって進むのかも見当がつかない。

これでは手に負えないし、へたに対応すればクレームになりかねない。

 

派手なおばさんは相変わらず怒鳴っている。

作業にとりかかることは出来ないし、なにより訳がわからない。

普段は冷静な本多だが、このときばかりは判断が出来ないところにまで達していた。

 

本多は思った。

【あきらめて帰ろう】

【大東さんに報告してお断りしよう】

そう思い、とりあえず玄関を出た。

 

車に乗り込み、携帯電話でTS葬儀社へ電話し、状況を伝えた。

すると大東さんは「わかりました、仕方がありませんので私が向かいます、少し現場で待っていてもらってもいいですか?」と言った。

 

本多はすかさず言った。

「部長、いまの報告聞いてくださってましたか?」

「取り付くしまもない、でたらめな状況ですよ?」

「部長がなにもわざわざ...」

「・・・・」

 

大東は言った。

「本多さん?」

 

「ハイ...」本多は返した。

 

「故人は待ってみえますよ」

「ボクたちの仕事は、いつもそういうことじゃないですか?」

大東は子供に絵本を聞かせるように言った。

 

本多は「ハッ」と思った。

たしかに、故人(ご遺体)の顔さえ見ていない。

なんだか自分が、仕事を放棄した気がしてきた。

 

本多は渋々だが答えた。

「わかりました、部長の手を煩わせるのだけはイヤですから私が何とかします」

「また、困ったら電話します」

 

大東は声を大きくして返した。

「さすが本多さん、期待していますよ」

「おねがいしますね」

 

本多は大東に励まされ、俄然やる気になっていた。

「よし、いっちょ行ってみるか」

本多は、また独り言をつぶやき玄関を開けた。

 

「失礼します、申し訳ありませんが、一度お電話は、おやめになっていただけますか?」

派手なおばさんに向かって本多は言った。

おばさんは「チラッ」と、こちらを見て頭を下げた。

 

その顔を見た本多は突然、失礼ながら「派手なおばさん=ハバさん」と思い浮かんでしまい、おかしくなって玄関の方を向いた。

それにしても現場に似つかわしくない、派手な化粧と装飾品である。

赤いワンピースはお似合いでステキだが、休日のおめかしや旅行なら良いのだろうが、遺体を安置する自宅である。

 

髪は長めのソバージュで、ボリュームがライオンのようにあり、ネックレスは何十にも重ねられていて、携帯電話を持つ手は長いカラフルな爪と金銀財宝で固められている。

 

太目の体型と相まって、失礼ながら漫画なんかの呪術使いのようだと思った。 

ハバさん(笑)は、電話口の相手に「またあとで連絡する」と言い電話を切った。

 

「すいませ~ん、少し興奮していたので...」

ハバさんは頭をペコペコ下げながら言った。

 

本多はやっと挨拶が出来た。

「お電話を途中で止めてしまい申し訳ありませんでした」 

「故人は、どちらにお見えですか?」

本多は、ようやく仕事に着手出来た。

 

「この奥の奥の部屋です」

ハバさんは言った。

 

【奥の奥か~、悪い予感しかしないな】

【まずは、あのフスマを開けないとな】

本多は思った。

 

とりあえず、行かなければどうしようもない。

よく見ると皆、靴を履いていた。

欧米人ならいざしらず、部屋の中で靴はどうなんだ?

 

「すいません、みなさん靴を履いたままのようですが...」

 

今日のお話はここまでです。

あなたの今日がステキな一日でありますように!

チャバティ64でした。

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