連続小説ドライバー38 第四章 「土下座のムコウ」第六話
こんにちは、チャバティ64です。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
今日は「槇原敬之さん」の「男はつらいっすねぇ」からスタートです。
ちょっとコミカルな歌ですが、曲調がしっかりしていて耳に残ります。
「アンダーウエア」というアルバムの先陣を切るのですが、このCDが名曲ぞろいでよく聞きます。
なかでも「うん」と「ペンギン」が好きです。
若い子には、ちょっと重めですが、おっさんにはちょうどいいくらいです。
ぜひ、レンタルしてみてください。
さて、本日も連続小説ドライバーをお送りします。
雰囲気の悪い現場に出くわした本多ですが...
説明も終わり帰ろうとした瞬間、事件は起こります。
第6話スタートです。
(カキです、いい季節になってきました)
子供たちの将来を考える連続小説
第四章ドライバー?「土下座のムコウ」第六話
(この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙に濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
モカちゃんは、笑顔が戻り落ち着いたようだった。
「モカはこれからどうしたい?」
【弟と思われる】兄が言った(兄B)
「...」
「そっか、わかんないもんな」
「そりゃそうだ」
【兄と思われる】兄が言った(兄A)
「この家じゃ、とうさんと血がつながってるのはモカだけだもんな」
「どうするの、かあさん?」
「ばあちゃんも、おじさんも出ていってほしいみたいな口ぶりだけどさ」
兄Bが言いにくいことをズバッと言った。
会話があらぬ方へ進み、本多は立ち上がるタイミングを逃してしまった。
とても口が開ける状況ではないことはわかる。
しばらく静観することに決めた。
色々な話があったが要約するとこうだった。
故人とのつながり
故人のお母さん=後妻で血のつながりはない
故人のお父さんの弟=実弟
故人の姉=後妻の連れ子
故人の弟=後妻の連れ子
故人の奥さん=後妻
兄A=後妻の連れ子
兄B=後妻の連れ子
モカちゃん=実子
と、なっていた。
少々複雑な家庭ではあるが、働き手の大切な農村ではこういうケースは多いそうだ。
たしかに兄Aの言う通り、血のつながっているのはモカちゃんだけだった。
しかし、家族であることに変わりがないし、故人に対して冷たすぎるのではないだろうか?
本多は思った。
故人の弟が言った。
「実のオヤジが死んでさ、おふくろが再婚して姉貴とここに来てさ」
「すげ~イヤな思いばっかしたよ」
「新しい親父はどこにも連れて行ってくれないし、ほとんど話をしたこともなかったよ」
「いつも休みの日は畑の手伝いさせられて、全然楽しくなかった」
「ホントにイヤだったんだ」
「でも兄貴だけは楽しそうだったんだよ」
「実の子だから可愛がられてたんだろうな」
「オレはこの家がキライだ、早く処分して財産を分けて欲しいんだ」
「親父が死んだとき、兄貴が継ぐって言ったから遠慮したんだよ」
「その兄貴が死んだんだ、もういいよな」
「オレの言うことは間違ってるか?」
「権利を主張するのは普通だよな」
矢継ぎばやに故人の弟は主張した。
姉も同じ意見のようだった。
弱い立場に立たされた奥さんとその息子たち。
この家族の唯一の希望がモカちゃんだった。
しかし本多は「何かが違う」と思っていた。
奥さんが重い口を開いた。
「権利を主張するのは当然です」
「私は主人がいなくなったら、この子たちを連れて出ていく覚悟をしていました」
「しかし、いざ亡くなったら考えが変わりました」
「死のうと...」
皆の顔色が一瞬で変わった。
子供たちのひきつった顔が印象的だった。
「私が死んだらこの子たちは行くところがありません」
「それならここに住むしかありませんからね」
「実に名案だと思いました」
「息を引き取った瞬間からそれだけを考えていました」
「しかし、間違っていたようです」
「それをこちらのドライバーさんに教えてもらいました」
【えっ?】
本多は、せっかく気配を消し、置物に徹していた努力が無になった。
何があったかわからないが、困惑どころではない。
本多は言った。
「わたしですか...?」
今日のお話はここまでです。
このお話は明日に続きます。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。