連続小説 ドライバー10 第二章「とある屋敷のフスマノムコウ」第一話
オッス、おらドグウ(土偶)!
みんな強えぇなぁ~!
冗談です、チャバティ64です。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
今日は「ゆず」の「夏色」からスタートです。
夏のヘビロテソングもそろそろ終わりですね。
雨が続き、急に気温が下がった気がします。
季節の変わり目は体調を崩しやすくなります。
みなさんどうかご自愛ください。
さて、本日から「連続小説 ドライバー?」第二章を始めます。
お茶でも飲みながらごゆるりとお楽しみ下さい。
(築地市場ありがとう!大好き~!)
ドライバー?シリーズ第二章
独り言の多い連続小説 第一話
「とある屋敷のフスマノムコウ」
(この物語はフィクションです、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙で濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
それは、世間では「お盆休み」と言われている蒸し暑い日のことだった。
真夜中2時「シーン」とした静けさを打ち破り電話が鳴った。
「もしもし、ライラック特殊搬送です」
今夜の当直は本多と鈴木だった。
鈴木は現在仮眠中だ。
「もしもし、TS葬儀社の大東です」
「あぁ、その声は本多さん?」
「搬送じゃなくて、ご自宅で枕元のお飾りと、安置をお願い出来ますか?」
本多は即答した。
「部長、大丈夫です、直ちにお伺いしますのでデータを送ってください」
大東は返した。
「わかりました、すぐにFAXを送ります」
「それではよろしくお願いします」
「かしこまりました」
本多は静かに丁寧に返事をした。
大東さんはTS葬儀社の部長さんで本多より10才くらい上だが「腰が低く下請けにもやさしい」面倒見のいい人で本多はとても尊敬していた。
(大東 伝介 だいとう だいすけ 46歳 男)
「ピィ~ヒョロロロ~、ピィ~・・・」
電話を切るとすぐにFAXが流れてきた。
「どれどれ」本多は左手で書類を持ち、指で刺しながら確認した。
地図を広げ自宅を探しながら、独り言をつぶやいた。
「ご自宅は タナカさんね」
「山羽地区の加茂鹿225番地か~結構近いぞ」
「68歳 男性 仏式、武霊基宗か~」
状況を把握しつつ急いで準備を開始した。
運送料金は発生しないため車庫の外に置いてある軽のバンに荷物を積みこんだ。
仮眠中の鈴木を起こし、行き先を告げすぐに出発した。
10分程度で依頼の場所に到着した。
垣根のある2階建ての立派な家だった。
回りは暗く、一軒だけ灯りがコウコウとついているから真夜中はわかりやすい。
玄関先の空き地に車を止めた。
空き地には夜中なのに可燃物であろうか、青いゴミ袋が30程度積まれていた。
丸くなったゴミ袋も夜の薄明かりで見るとさながらオブジェのようだった。
「だめだな前日出しは、ちゃんと朝に出さなきゃなぁ」
本多は独り言をつぶやいた。
家でのゴミ出しは、もちろん本多の仕事であった。
「さってと、行きますかぁ」
また、つぶやいた。
玄関前に立つと中から話し声が聞こえる。
呼び鈴を押した。
中から「ハーイ」と子供の声?が聞えた。
「ごめんください、TS葬儀社ですが・・・」
本多はTS葬儀社の下請けで来ていた。
「えっ?」
玄関を開けようとした瞬間足元で何かが動いた。
明るいのですぐに分かった。
「手のひらぐらいのカメである」
「ほぅ、カメの放し飼いか?初めて見たな」またつぶやいた。
スーツの襟を両手でつかみ「グッ」と下へ引っ張った。
これをするとなんだか、気が引き締まる気がする。
ひと呼吸おいて、玄関を開けた。
「なっ?」思わず声が出てしまった。
今日のお話はここまでです。
このお話は明日に続きます。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。