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目がかすむ連続小説ドライバー? 第一章「昨日の夜」第二話「スクランブル発進!」

こんにちは、チャバティ64です。

 

仕事はお茶の販売をしています。

BASEの「お茶の葉園」(あいばえん)

というショップを趣味で運営しています。

 

よろしくお願いします。

 

本日は第二話をお送りします。

おくりびと」との関係は?

ドライバーの仕事は何なのか?

これから詳しく出てきます。

 

それでは、お楽しみ下さい。

 

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目がかすむ連続小説 ドライバー?第一章「昨日の夜」第二話「スクランブル発進!」

 

 (この物語はフィクションです、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)

 

行く道は涙で濡れ、

行く道は嘆きにあふれ、

行く道は悲しみの数だけ続く、

・・・「DRIVER」

 

《本編》

 

「ところで鈴木さん?」本多が言った。

 

「今日のお客様、ご自宅に到着したとき、すでに住職が来ていたんですね」

「それで、急いでタンカを持つ人を集めなきゃと思って、家の人に声をかけてたら『妊婦と未成年には持たせちゃいかんぞ』って言われたんですよ」

 

「鈴木さんは聞いたことありますか?」

 

「あぁ、華徒真(カトマ)宗だな」

「このあたりは少ないんだけど、俺も一度だけ言われたことあるよ」

「まぁ妊婦さんや、未成年に手伝ってもらうことは、滅多にないと思うけどなぁ」

 

経験豊富な鈴木らしい言葉だった。

 

「へぇ~、そんなのあるんすね」

川崎が口を尖らし、首をかしげながら言った。

 

そんな会話の中、電話がけたたましく鳴った。

山葉が3コール待ってから受話器を取った。

 

「もしもし、ライラック特殊搬送です」

「はい、どちらのお迎えですか?」

「・・・・」

 

山葉がメモ帳のペンを取りながら上目使いで、うなずきながら皆を見た。 

談笑の雰囲気が、一瞬で緊張に変わった。

 

電話の主は市内にある病院の看護師さんだった。

 

「お世話になります、KR病院看護師の宮田です」

「患者様のご遺族の希望で霊安室は使用いたしませんので、RS病棟750号室へ直接お迎えでお願いします」

「時間指定はありませんので、なるべく早く来ていただけると助かります」

 

山葉は、アイコンタクトで当直の川崎にお迎えの準備を促し、そして言った。

「かしこまりました、KR病院宮田様、大至急準備いたします」

「それでは、お客様のご詳細をお教え下さい」

「お名前、年齢、お送り先、ご遺族はおみえですか?」

「身長と宗教がおわかりになればお教えください」

 

看護師の宮田が答えた。

「お名前はヨシハラ ヒデキ様、年齢は45歳」

「送り先はご自宅で、富士住兎町です」

「ご家族は長男と奥様がおみえです」

「身長は175㎝くらい、仏教だそうですが・・・詳しくはわかりません」

 

事務所の窓の向こうでは本多と川崎があわただしく、出発の準備をしている。

先ほど、本多が乗ってきた車に用品一式を積み込み、最後にドライアイスを20kg分クーラーボックスに入れた。

 

山葉は窓の向こうの川崎に右手を差し出し、手刀から、人差し指と親指で「L」を作った。(手刀は拝む姿勢から仏教を表し、身長170㎝以上でLサイズになる)

川崎はうなずき、用品の一部を交換し準備が整った。

 

「かしこまりました」

「それでは直ちに出発いたします」

「到着時間は、現時点の道路状況なら21:30分頃になるかと思います」

「道路事情で遅くなるようでしたら宮田様までご連絡いたしますのでしばらくお待ちください」

 

「よろしくお願いします」

「かしこまりました」

宮田の言葉を聞いた山葉は静かに受話器を置いた。

 

山葉は故人宅を住宅地図で探しながら言った。

「ハイ、川崎君、これ指示書ね」

「時間、距離、スクランブルでよろしく!」

 

山葉は故人宅を見つけ驚きながら言った。

 「うわぁ、すごく敷地の大きな家だわ」

「道路からもだけど、家の中でも結構な移動になるかもしれないわね」

「それに故人がお若いから、特に気を付けて」

指示書に目を通しながら川崎はうなずいた。

 

本多が言った。

 「かわさきぃ、たまには一緒に行こっか?背が高いみたいだしなぁ」

本多は先ほど外したばかりの「黒いネクタイと胸の名札」を付けなおしている。

 

それを見て川崎が言った。

「いやぁ、そりゃありがたいすけど、この時間から大丈夫すか?」

 

「俺なら全然大丈夫、明日は休みだし帰って寝るだけだよ」

「子供達も風呂に入ったろうし、かみさんにメール入れとくよ」

「さぁ、急ごう!」

 

本多は川崎の背中を「ポン」と叩き車に向かった。

「それじゃ、行ってきます」 

 

そう告げると、川崎も運転席に飛び乗りオドメーターと、ダッシュボード中央にある、今時の車には、めずらしい「針の時計」を確認した。

 

「トリップ ゼロ点確認 32,450km・21時10分、KR病院に向け出発します」 

 

「川崎行きま~す!」

スクランブル発進!!!」

 

川崎は中二病を引きずっている男だった(笑)

 

 

今日のお話はここまでです。

 

あなたの日々がステキな一日でありますように!

チャバティ64でした。

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