【催事】ボクの目の前をつらそうな顔で横切るんじゃない!
こんにちは、チャバティ64です。
ボクの仕事はお茶の販売員です。
日本中を旅しながらお茶の試飲販売を行います。
フーテンの寅さんとはちょっと違いますが、旅することは好きです。
コロナ禍における非常事態宣言等があり、ここ2年催事を行っていませんでした。
最近、宣言が解除になったこともあり、先月から試飲以外の販売が可能になりました。
今は必死に催事場所を確保すべくアタックしています。
長野駅での催事風景
やっと再開した思いもあるのですが久々の催事で制約もあり、お声がけも近づいてきた人のみ小声でという、なかなか売りにくい販売方法です。
試飲が無いため「お茶の香り、水色、お味」を、お伝え出来ない。
しかも「とても手持無沙汰」です。
いつもはお湯を沸かしたり、急須を使うため、意外と忙しくしていました。
それが無くなると「ひま」としか言いようがありません。
しかし、これは逆に言うと通過するお客さんのウオッチが出来ると言うことです。
たまたま催事場所が通路で駅に向かって通り過ぎる人がたくさんいます。
しばらく眺めていました。
すると、失礼ながらやはりコロナなのかなんなのか、疲弊している感が強く、厳しい表情の方が多い気がします。
特に思ったのがベビーカーを押したお母さんです。
家族でいる場合、最近はご主人が抱っこヒモ?で抱いていてベビーカーは使っていません。
しかし、お母さん一人でベビーカーを使用している場合、難しそうな顔して足早に通り過ぎる方がとても多いのです。
家事に育児に忙しいのでしょう。
さて、初日の販売は眺めていながら終わりました。
ちょうど販売促進用のサンプルも持っています。
翌日、少し声がけをしてみようと思いました。
早速右手方向からベビーカーを押したお母さんが歩いてきました。
まっすぐ一点を見つめ周りを見ていません。
何か思うことがあるのでしょう。
「お茶はいかがですか~」(ホントはそんなこと言いません 笑)
「あっ、お母さん、ちょっと待って(意外と小声)」
【お母さんが立ち止まりました】
「これね、和紅茶って言って珍しい日本の紅茶の木から作ったお砂糖がいらない紅茶ティーバックと川根の煎茶ティーバッグ」
「ひとつずつ入ってるから、もし自分の時間が5分あったら飲んでみて」
「マグカップに入れてお湯を注げばいいからね」
「忙しいと思うけど、ほんの少しだけホッとできるかも知れないよ」
そう告げ手渡した瞬間!!!
お母さんは突然しゃがみこんでしまいました。
「えっ、大丈夫?」
ボクは驚き、近くにいた女性の店員さん(すごく優しい人)を手招きしました。
具合でも悪くなったなら大変です。
女性店員さんに抱えられお母さんは立ちあがりました。
赤くなった目でまっすぐボクを見て
「すいません、なんか泣けてしまって...」
「自分でもよくわからないんですけど、恥ずかしい...」
「あっ、お茶ありがとうございます」
お母さんは女性の店員さんに背中を擦られながら、しばらくお話をしていました。
ボクは忙しくしている人が、少しだけリラックスして欲しくて「お茶を楽しむ時間」を伝えたかったんです。
その後も手ぶらで買い物しているおばあちゃんとか、少し肌寒そうな格好のおじいちゃんに配りまくってやりましたよ(笑)
ボクの目の前をつらそうな顔で通り過ぎる人は泣かせますよ!(ウソですごめんなさい)
今回はそれがたまたま目についたベビーカーを押したお母さんだったんです。
なんかつらいことでもあったのかな?
疲弊した世の中ですけど少しだけ心に余裕が持てたらいいですね。
リラックス出来る時間が、わずかでもあったなら...
ちょっとだけ心が晴れるのかもしれません。
そんな時間を持ちたいものです。
そうは言ってもこっちも死に物狂い!
ぜんぜん売れね~(笑)
今日のお話はここまでです。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。
仕事はいい香りのするお茶の販売員をしています。
BASEショップで「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というネットショップも趣味で運営しています。
よろしくお願いします。