紅葉とおふくろのわがまま【今週のお題】
こんにちは「チャバティ64」です。
すっかり秋めいてきましたが、まだまだ暑い日がありますね。
今日は【今週のお題】に久々に食いつきました。
過去ブログを引用しながら書きました。
あの時に行った紅葉の赤さを思い出しながら。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
(おかあちゃん、今夜は肉が食べたい)
今日はショートストーリー仕立てです。
おふくろが16年ほど前の誕生日の日に定年退社した。
16歳から続けた針子さんの仕事を務めあげた。
ボクはとても立派だと思った。
社長さんの計らいで、本来の定年より5年も多くミシンを踏ませてもらった。
おふくろは、そのことをとても感謝していた。
ボクは「記念になれば」と、当日会社を休み、労をねぎらおうと思った。
会社から花束をもらい、帰ってきたおふくろを待ち伏せした。
つくし編もあります
「なんや、あんた来とったんか?」
不躾におふくろの先制パンチが飛んだ。
「今日定年で仕事終わったんやろ、記念にどっか行けへんか?」
ボクは言った。
「そうやなぁ」
おふくろは、考えていた。
「行きたいとこあらへんか?」
「欲しいものとかあらへんのか?」
ボクは矢継ぎばやに言った。
「ん~、いざそう言われると思いつかんもんやなぁ」
「そうや!もみじの苗が欲しいわ!」
おふくろは目を輝かせた。
【定年後に土いじりは良いかもしれない】
ボクたちが、小さい頃から「オヤジとオフクロを兼任した」おかあちゃんには、ぜひとも長生きしてもらいたい。
健康的で尚且つ、種類もあって飽きない趣味はいいと思う。
愛でる楽しみもあるし、それほど高額でもないからちょこちょこ買ってあげることも出来るだろう。
「ほんなら早速、買いに行こか?」
「着替えてこやぁ」
ボクは想像してうれしくなっていた。
すると、おふくろは難しい顔をして言った。
「なんで、もみじの苗を買わなあかんのや?」
「山で取ってこやええやろ?」
ボクはまさかの返答に驚いた。
「え~っ、野生のを取ってくんの?」
おふくろは続けた。
「ほんなもん、あたりまえやろ」
「買わんでもええ、取りに行った方が記念になるやろ?」
「欲しいもんと、行きたいとこが決ったわ」
ボクは「なるほど」と丸めこまれ、取りに行くことにした。
少し離れた、友人の山に入らせてもらい2人で探した。
車でふもとまで行き、歩いて入った。
小学生の時に「クワガタ」を探した以来だ。
すぐに見つかると思ったが、これがなかなか見つからない。
寒い地域なので10月でも、もみじは紅く色づき始めていた。
見て回るにはいいのだが、肝心の苗が見つからない。
この日は暗くなったので捜索は終了した。
ボクは、ちょうど金曜日だったので今夜は泊っていくことにした。
その夜、久しぶりにおふくろと話し込んだ。
お酒は弱いので、お茶を片手に話をした。
たくさんたくさん話をした...
そして翌日、もみじの苗を探しに行った。
道端から少し入った所に車を止め、山に入ろうとしたとき...
「あっ!あった~!」
やっと見つけた、一枚だけ葉の付いた可愛いもみじの苗。
「おかあちゃんあったよ!あった~!」
ボクは言った。
そうしたらおふくろは返しました。
「なんや、そんなとこにあったんか?」
「なんで昨日、気付かへんかったんやろうな?」
「よっしゃ、あと2本見つけたら帰ろ!」
「えっ?」
「2本?」
ボクは本数まで考えてなかった。
おふくろは言った。
「1本枯れたら、どないすんにや」
「記念になれへんがな」
「3本あれば安心やろ、はよ探せ!」
「まいりました」
ボクは、このあと探しまくって4本見つけた。
今でもこのもみじは、庭にあって大きくなってる。
4本とも...
おかあちゃん最高!
今日のお話はここまでです。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。