恋のキューピットはおっさんだった?小説箸休め①
こんにちは、チャバティ64です。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
今日は「浜田省吾さん」の「もうひとつの土曜日」からスタートです。
ボクの若い頃のカラオケの定番、ラブソングの王道でした。
本当に指輪を握りしめ歌った人もいました。
歌につられ情景が浮かんだり、気持ちが動くことってありますよね。
本日は、連続小説をお休み(箸休め)して「恋のキューピット?」のお話をします。
どうぞお楽しみ下さい。
(甘酸っぱいタルトのような思い出)
ボクも今ほどおっさんじゃなかったころ、色々な人から色々な相談を受けました。
相談相手が若かったため、恋の相談が多く、若い頃を思い出す、なんとも甘酸っぱい気持ちになりましたね。
「あの子と付き合いたい」
「あの子にプロポーズしたい」
「親に合うにはどうしたら?」
「彼女を作りたいけど」
などなど、多かったですね。
ボクはとっくに所帯をもっていたので、相談しやすかったのでしょうか?
結構真面目に相談して来るので真面目に答えなければいけません。
そのため毎回真剣勝負です(笑)
このお話は携帯も普及していない20年以上前の話です。
ケース① 「あの子と付き合いたい」
居酒屋で飲んでいると、後輩Kが突然言い出した。
「あの受付の女の子と付き合いたいんですよ」
「すごく可愛いでしょ、理想通りなんですよ」
「どうしたらいいんでしょう?」
【受付の?あんなにカワイイ子だったら彼氏がいると思うけど】
【面食いにもほどがあるだろ?】
ボクは思った。
しかし、飲んだ勢いで作戦を伝授した。
「とりあえず、水族館に誘え!」
「セリフは一言『ボクとタカアシガニを見に行きませんか?』だ!」
「笑ったらお前の勝ちだから引き続き畳み込め!」
「ついでに『イルカとペンギンも見に行きませんか?』って言え」
「ペンギンキライな女の子はいないから、ガンバレ!」
翌日、食堂でお昼ご飯を食べていたら、後輩Kが血相を変えて走ってきた。
【ヤベッ、失敗したか?(笑)】
「どうした?」
「うまくいったか?」
後輩Kは言った。
「完璧でした、来週水族館に行きますよ」
「ありがとうございました!」
【素直な後輩は受付でカニのモノマネで言ったらしい...汗】
「マジで?」
「よかったな!」
これが縁で後輩は美人受付嬢とゴールインしました。
今では3人の子持ちですが、後輩Kは今でもベタぼれです。
ケース② 「プロポーズしないと彼女に逃げられそう」
居酒屋で飲んでいると後輩Aが突然言い出した。
「彼女Aと3年付き合って、そろそろ結婚も考えてるんですけど彼女Aの気持ちがいまいちわからないんですよ」
「彼女Aは寮にいるから、部屋に遊びに行くことも出来ないし、同棲すると会社の社宅に入れなくなるのでどうしたらいいですか?」
「電話もなかなかか取次してもらえないですしね」
「プロポーズも、一発で決めないとなんか逃げられそうです」
ボクは酔った勢いで言った(笑)
「おまえ、考えすぎだよ」
「寮なんていっぱい電話がかかってくるんだから仕方ないよ」
「3年も付き合ったなら、気持ちもわかりそうなもんだけどなぁ」
「ホントに結婚する気があるなら手伝うぞ」
「マジすか?お願いします」
「自分、真剣ですから」
後輩Aの目が血走っていた。
ボクは言った。
「それじゃ、決行は今週の金曜日の21:00」
「女子寮の門限の一時間前だ」
「まずは、前日までに彼女Aの予定を聞いておく」
「いるか、いないかだけだ、メシなんてさそっちゃダメだぞ」
「おまえのクレスタってドアにスピーカー付けてたよな?」
「ハイ、ボーナスで買ったナカミチのデカいやつがついてます」
「いい音しますよ!」
「そうか、それならいいな」
金曜日の夜、花束を買いに行った。
「彼女A、寮にいるって言ってたか?」
「えぇ、出かける予定は無いって言ってました」
「それならいいな」
花屋に着くなり後輩Aは言った。
「バラの花を100本下さい」
「ちょっと待て、100本なんてクソ重いし、持つとこなんか、野球のバットの打つ方の太さになるぞ」
「花瓶にも入らないから20本で十分!」
「カスミソウを入れりゃいい感じになるよ」
「わかりました、じゃぁそれで」
店員さんも笑っていた。
花束を買ったらケーキだ、イチゴのショートケーキを2個買った。
プラのスプーンも付けてもらった。
【なんとかして記念日にしなければ】
その間に後輩の友人Bに女子寮に電話をかけさせ、在宅確認をした。
Bの彼女Bは、後輩Aの彼女Aと同い年で寮の同じ部屋にすんでいる。
そして、彼女Bに彼女Aを誘い、21:00頃に玄関にある自販機にジュースを買いに行くのを誘うように言った。
これで、準備は整った。
後輩のクレスタをボクが運転し、助手席に後輩を乗せた。
ボクの永ちゃんのコンサート用の白いスーツを着せた(もちろんハダカではない)
21:00、女子寮の玄関に横付けしてドアを開けた。
流れる音楽は「ハウンドドッグのフォルテシモ」大音量だ!
女子寮の女の子たちは何事かと窓から顔を出していた。
その中の2階の窓に彼女がいた。
白いスーツを着て、真っ赤なバラを持った後輩が車から降りて叫んだ。
「ゆうこさん、お付き合いして3年が経ちました」
「いつも一緒がいいです、結婚してください!」
「お願いします!」
バラを抱え片膝を地面につき、頭を下げた。
その瞬間、女子寮から大歓声と拍手が起こった!
「ゆうこ!、ゆうこ!、ゆうこ!」ゆうこコールも起こった!
大成功だった!
彼女は、すっぴんで、ジャージにどてらでサンダル履きだった。
しかし、その涙、彼を包み込むしぐさがとても美しかった。
心のそこからよかったと思った。
この2人も半年後に結婚して、近所で幸せに暮らしています。
ちなみにこの女子寮では、しばらくこのプロポーズが定番となりました。
こんなベタベタで信じられないでしょうがすべて実話です。
いい時代だったんでしょうか?
今日のお話はここまでです。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。