連続小説 ドライバー3「昨日の夜」第三話
こんにちは、チャバティ64です。
仕事はお茶の販売をしています。
BASEの「お茶の愛葉園」(あいばえん)
というショップを趣味で運営しています。
よろしくお願いします。
今日は「元ちとせさん」の「ワダツミの木」からスタートです。
今まで聞いた女性アーティストの中でもっとも衝撃を受けた歌です。
いまでも車の中でよく聞く名曲中の名曲です。
この人にはもっともっと歌ってほしいなぁ。
鹿児島奄美大島出身では「里アンナさん」「城南海(きづきみなみ)さん」をはじめ、素晴らしいアーティストがたくさんいらっしゃいます。
どなたも発声だけで鳥肌を立たせることが出来る恐ろしい方々です。
鹿児島生まれのボクでも、旅行に行って見たいところナンバー1です。
さて、連続小説「ドライバー?」第三話です。
ぜひ、お茶でも飲みながらお楽しみ下さい。
(もちろん今年のお盆も行ってきました)
目がかすむ連続小説 第三話
ドライバー?「昨日の夜」
(この物語はフィクションです、登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは一切関係ありません)
行く道は涙で濡れ、
行く道は嘆きにあふれ、
行く道は悲しみの数だけ続く
・・・「DRIVER」
《本編》
電話の主は市内にある病院の看護師さんだった。
「お世話になります、KR病院看護師の宮田です」
「患者様のご遺族の希望で霊安室は使用いたしませんので、RS病棟750号室へ直接お迎えでお願いします」
「時間指定はありませんのでなるべく早く来ていただけると助かります」
山葉は、アイコンタクトで当直の川崎にお迎えの準備を促し、そして言った。
「かしこまりました、KR病院宮田様、大至急準備いたします」
「それでは、お客様のご詳細をお教え下さい」
「お名前、年齢、お送り先、ご遺族はお見えですか?」
「身長と宗教がおわかりになればお教えください」
事務所の窓の向こうでは本多と川崎があわただしく、出発の準備をしている。
先ほど本多が乗ってきた車に用品一式を積み込み、最後にドライアイスを20kg分クーラーボックスに入れた。
看護師の宮田が答えた。
「お名前はヨシハラ ヒデキ様、年齢は45歳」
「送り先はご自宅で市内富士十うさぎ地区です」
「ご家族は長男と奥様がお見えです」
「身長は175㎝くらい、仏教だそうですが・・・詳しくはわかりません」
山葉は窓の向こうの川崎に右手を差し出し、手刀から、人差し指と親指で「L」を作った。
川崎は頷き、用品の一部を交換し準備が整った。
「かしこまりました」
「それでは直ちに出発いたします」
「到着時間は現時点の道路状況なら21:30分頃になるかと思います」
「道路事情で遅くなるようでしたら宮田様までご連絡いたしますのでしばらくお待ちください」
「よろしくお願いします」
「かしこまりました」
宮田の言葉を聞いた山葉は静かに受話器を置いた。
山葉は故人宅を住宅地図で探しながら言った。
「ハイ、川崎君、これ指示書ね」
「時間、距離、スクランブルでよろしく!」
山葉は故人宅を見つけ驚きながら言った。
「うわぁ、すごく敷地の大きな家だわ」
「道路からもだけど、家の中でも結構な移動になるかもしれないわね」
「それに故人がお若いから特に気を付けて」
指示書に目を通しながら川崎はうなずいた。
本多が言った。
「川崎、たまには一緒に行こうか?背が高いみたいだしなぁ」
本多は先ほど外したばかりの「黒いネクタイと胸の名札」を付けなおしている。
それを見て川崎が言った。
「いやぁ、そりゃありがたいすけど、この時間から大丈夫すか?」
「俺なら全然大丈夫、明日は休みだし帰って寝るだけだよ」
「子供達も風呂に入ったろうし、かみさんにメール入れとくよ」
「さぁ、急ごう!」
本多は川崎の背中を「ポン」と叩き車に向かった。
「それじゃ、行ってきます」
そう告げると川崎も運転席に飛び乗りオドメーターと、ダッシュボード中央にある、今時の車にはめずらしい「針の時計」を確認した。
「トリップ ゼロ点確認 32,450km・21時10分、KR病院に向け出発します」
さすがに夜は道路がすいていて予定より5分早く病院に着いた。
車を止めると速攻でタンカ付きのストレッチャーと呼ばれる台車を下ろし、人気のない裏口の通路からRS750病室に向かった。
「ライラック特殊搬送です。ヨシハラヒデキ様のお迎えに上がりました」
今日のお話はここまでです。
このお話は明日に続きます。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。