前さんの話全編 ー つゆのあとさき ー
こんにちは、チャバティ64です。
今日は天気についてお話します。
最近は雨が多くてめっきり梅雨の様相です。
(2018年、静岡ではSLが走ってます)
しかし、ボクの住む静岡県では年間を通し雨が少なく住みやすいこと、この上ないところです。
ものすごく暑い鹿児島の田舎で生まれ、
ものすごく寒い岐阜の田舎で育ち、
快適と思われる静岡で生活しています。
静岡に引っ越して35年以上になりますが、ほかの県にいこうとか
実家の岐阜に住もうとか思ったことは一度もありません。
ボクがまだ静岡に来た年の冬に、冬らしい寒さを感じず雪も降らない環境にとても驚きました。
しかも「雪がないから年中、単車に乗れる!」と、喜んだものです。
実際に冬も、上下ジャージで乗っていました。
ある日、近所のバイク屋さんに行くとみんなでストーブにあたっていました。
入っていくと「おまえ、ジャージって気はたしか?」と、笑われました。
「岐阜の人だってよ」みんな、なぜか納得した様子でした。
その日は少々肌寒く
「そろそろジャンパーでも買おうかな?」
と、迷っていたところだったので
「安くていいお店」を
教えてもらいました。
そして、ストーブ前で談笑していたら
「そこにサイクロンの咆哮が!」
シビれる音に入り口まで走って出ていったら
「なんと!刀です」しかも、
当時珍しかった「1100」です。
「Gジャンの袖なしを、素肌に来ている超ワイルドなおじさん」が、立っていました。
「あっ、前さん、こんちわっす」皆が一斉に挨拶しました。
ボクは圧倒され「挨拶するタイミング」を、逃していまいました。
頭は僧侶のごとくツルツルで、ものすごくマッチョ、さらに透き通るような白い肌。
少々強面感の漂う聞けばまだ24歳の貫禄ある青年でした。
(ごめんなさい、当時のボクより5歳上)
世の中、上には上がいる。
「マジか?」
なんの違和感もなく、この寒空に素肌に袖なしGジャンの人がストーブ前で談笑している。
前さんが突然こちらを向いて低い声で
「お前は誰だ?」と言った。
外国の方から「フゥ~ア~ユゥ~?」と、
言われたように聞こえた。
ボクは慌てて説明するように「ボクはこの先の工場に今年から入りました〇〇です」
「よろしくお願いします」と、聞きもしない勤め先まで言った。
「そうか、外の750RSお前か?」
前さんは
ボクのジャージはスルーして
単車だけを聞いてきた。
「そうです...鉄クズみたいに古いのですけど」
(当時解体屋さんにゴロゴロあって部品は解体屋さんで買うのが普通だった)
前さんが言った「そうか、今度走りに行こうぜ!、俺もおんなじ工場だ」
「そうだったんだ、こんなワイルドな人もいるんだな」と思った。
ついでに、勇気を振り絞って言った
「どうして冬にGジャンなんですか?」
前さんは、豪快に笑いながら言った。
「ガッハッハァー!」
「これしかないんだよ、着るもんが」
「パーティーはタキシード」
「葬式は喪服(礼服)」
「バイクはGジャン」だろ?
かっこよすぎる!
一発でファンになってしまった。
さらに、ついでに言った
「寒くないですか?」
これには一同大爆笑で
「お前が言うな!」って
今日のお話はここまで、前さんは明日も続きます。
あなたの今日がステキな一日でありますように!
チャバティ64でした。